ノウハウ分析ってどういう手法なんですか?

ノウハウには種類がある

ノウハウ分析の手法について聞かれることがあります。
ご説明するにあたり、先ずノウハウの種類について少し触れておく必要があります。

例えば、
1. 職種的に分類すると事務系のノウハウと営業系のノウハウ
2. ノウハウ保持者のタイプで分類すると感応型のノウハウと方程式型のノウハウ
等が代表的なノウハウの分類と種類です。

今回2についてお話します。
感応型のノウハウというのは、日々の業務の積み重ねで身についたノウハウです。その職場において発生する業務を知り尽くした職員が身につけたものです。顧客の申込、依頼、質問等に対しそれにはこれ、それならこれ、といった完了のシナリオを持っていて、即座に適切なシナリオを引き出し次になすべき行動を実行します。

ベテラン技といわれるノウハウにはこのような感応型が多いのですが、このノウハウの弱点は応用が利かないことです。兎に角その職場で発生する業務なら完全にシナリオを持っているのですが、なぜそうするのか、という理由にはあまり関心がありません。ですから経験のないことが発生すると対処できません。

対照的に方程式型のノウハウは、その業務の根本的な仕組みや構造を理解したもので、発生した事に対し適用すべきルールや機能を引き出し的確に判断をし正しい解を導くことができるノウハウです。従って、実に適用範囲が広く多くの業務をこなすことが可能です。

ノウハウ分析とは何か

ここでノウハウ分析に戻りますが、私がノウハウ分析をして分析結果として導き出すのは、この方程式型のノウハウの方程式です。実際に方程式型のノウハウを持っている方はほんの少数です。よって多くのノウハウ分析のケースでは、感応型のノウハウのシナリオを分析して方程式を導きます。
正しいシナリオは方程式で解いた答えと同じです。ですからシナリオを多く集め分析すればそのシナリオを導いている方程式を見つけることができます。

これは一般的に論理的思考といわれる中の帰納法の応用です。これでひとつのルール(方程式)を導き、演繹法のルールとし、他の問題を解決する。

一番大切なのは人の話を良く聞くことです

これがノウハウ分析の手法ですが、一番大事なのは論理的思考の前に、人の話を良く聞くことです。良く聞かないことには分析すべき情報が得られません。どれだけのシナリオを集めるかが分析結果の品質を左右すると言う訳です。

成功事例集のように、ベテランが身につけたシナリオをそのまま表現し共有する方法もありますが、それでは単なる丸暗記の域を出ません。応用しようとしてもかなり咀嚼しなければ自分のケースに適用できません。

ノウハウ分析で、ノウハウの基礎となっている手法(方程式)を導きそれを共有することで個々の能力を引き上げる。弊社はこんな方法で人材育成と営業店支援に取組んでいます。